2月例会報告
2月の例会は24日、江東区西大島文化センターで開催され、29名の参加となりました。
鹿島 眞人さんより PIERCE トリプルカレンダー/ワンプッシュクロノグラフ
ラグが稼動してゼンマイが巻けるという、初期の自動巻きで知られるピアースの時計です。
ワンプッシュクロノはレバーやバネなどが独特の形状をしており、このあたりに独創性が感じられます。
入手したとき、トリプルカレンダーの天芯は粗雑な加工がされていて“とりあえず動く”という状態だったそうですが、別の三針のピアースの時計からテンプごと移植して動作に問題が無くなったとの事です。
梅沢 実さんより 自作旋盤
戦後間もない頃、欧州式の片支持型旋盤を参考に、鉄工所と協力して材料から作成した旋盤です。
よく見ると、全体の形状は欧州式ですが、支持台(ベッド)の手前側が山切りになっており、米国式の特徴も兼ね備えています。
歯切に使用される台にも様々な独自の改良が施されていて、作業の効率や微調整に役立つと思われる部分が多く見受けられます。
上瀬企画局長より 単眼望遠鏡を利用した拡大鏡
旋盤で加工するときに、キズミを使用しながらの旋盤作業では、切り粉が間近に飛んで来て危険なため、市販の単眼望遠鏡を応用してスタンドに固定させたものを使用しているということでした。単眼鏡は3つのネジで固定されており、他の倍率の物にも付け替え可能にしてあったりと、上瀬企画局長らしい細やかな工夫も随所に施されていあした。
あわせて、光学レンズで有名なESCHENBACH社のマックスディテールという商品も同じ目的で使用するのに便利だということで紹介いただきました。
ただしこちらは眼鏡の形をしていて目と目の間の幅が調整できないため、サイズが合えばという事でした。
加藤会長の旋盤講座 オシドリネジの製作
今回のテーマはオシドリネジの製作でした。特に目を引いたのはネジきりの道具が普通みる形のダイスではなく、上記のようなものを使用していた点です。真ん中にタップが3本まとまったように配置されていて、ネジ部にしたい部分をその中心に通していく作りです。
こういった新しい道具も使いこなしていこうとする姿勢も含めて学ぶ事の多い講座でした。
次回例会では、右写真のように、テンプそのものが耐震装置を兼ねているという、ワイラーテンプが採用された時計の展示と構造の解説、ケースとほぼ同等の直径という香箱が使われている八日巻懐中時計の構造についての解説を行う予定です。