9月例会報告
9月例会は26日、江東区亀戸文化センターで開催され、35名の参加となりました。
加藤会長の旋盤講座 クロノグラフ4番車の入れホゾ実演
先月に引き続き入れホゾの実演をしていただきました。
焼きが入った歯車のホゾを焼き戻しする際、写真のように先端に戻したい部分を挟み、銅線をまげて丸くしてあるところに火を当てると、狙い通りの部分が戻るため失敗が少なくなります。
上瀬企画部長より グランドファザークロックのブッシュ入れ替えと数取り部分の修理法
重さ4kgの重錘をかけてもガンギ車まで力がほとんど来ておらず、回転しない。
そんなグランドファザークロックの修理方法として、各歯車のホゾ穴のブッシュを別作入替した際に気をつけた点と、さらに時打ちの時間が合わないところがあったため、数取りの部分を直したときのお話を、スライドを使用して説明していただきました。
昔から使われている時計は、歯車軸に加わる力が常に一方向であるために平行がずれてきてホゾ穴を削っていることが多い。そのため力が伝わりにくくなる事が多く、その修正のための方法はいくつかありますが、その後の使用に長く耐えうるために、ブッシュを入れ替える方法で行ったとのことです。
数取り部分に関しては6時、7時位置では正確に打つが、12時、1時位置付近では、ずれた時間で打ってしまう状態でした。原因としては、上下に突き出ているオゾが曲っているためですが、あわせてホゾを支えている部品の穴も減っていたので作り直しをしたとのことです。
このような作業は、ただ入れ替えたり、まっすぐにすればいいというものでもなく、作業の至るところに細やかな気遣いが感じられ、とても考えさせられる貴重なお話でした。
佐々木副会長より オランダの街に点在する塔時計の紹介
オランダといえば風車で有名ですが、塔時計もいたる所に残されているということです。
仕事で渡った際に合間を縫って撮影してきた塔時計を、シーボルトで有名なライデンの街を中心にお話いただきました。またその際、時計に携わる人でライデンに行ったならば、ぜひ行っておいたほうがいいというお勧めの博物館、ブールハーヴェ博物館(http://www.museumboerhaave.nl/)の展示物について解説していただきました。
・ブールハーヴェ博物館
音響の分析装置とのことです。19世紀ぐらいの音響学の資料にはよくあるものだそうですが、オランダ科学史に関係する資料が収蔵されている博物館なので、今では珍しいこういったものも多く展示されています。
子午環(シゴカン)です。子午儀は主に経度をはかる装置ですが、それを発展させたもので、観測するひとつの星を決めてその高さを測ることにより、その土地の緯度も調べることができる装置です。
ライデン天文台で使われていた天文時計で温度補正振り子になっています。正確な時を刻むためにさまざまな工夫がこのようにして生まれてきたのでしょう。
なかでもこちらの、天文の動きを時計にあわせて作られた惑星儀が興味深く、ヒゲゼンマイと丸テンプの組み合わせが使われているため、16世紀ごろにはこれらの組み合わせを使った機械が作られていた証拠と考えられるとのことです。
ライデン市庁舎に建っている夜の塔時計
針とインデックスも光るようになっていて、遠くからでもはっきり時間がわかるようになっています。
ライデン市庁舎の塔時計の下部分
時刻を伝える音が下にいる人々によく聞こえるように、下に向いたスリットが設けられています。
デ・ファルク(風車)の内部
風車の回転数を一定にして小麦の粉を均一に挽くために、遠心ガバナーを利用しています。
そのほかにも、城塞都市から学問の街へと移り変わっていくライデンの歴史にも触れられて、会員の方も機会があればとても楽しめると思われるお話でした。