8月例会報告




8月例会は26日、江東区亀戸文化センターで開催され、33名の参加となりました。



加藤会長の旋盤講座 ガンギ車の入れホゾ実演
歯車類は焼きが入って硬いので、ガンギ車などの入れホゾをするときは一回焼き戻してから加工します。
ホゾ部分を別作する際にわずかなテーパー(円錐)をつけておくなど、随所に工夫が見られ大変ためになるお話でした。







福田 修二さんより 改良型ネジ頭研磨治具




前号に掲載されたものの改良型です。
改良点は、ネジの固定を雌ネジヤトイ式からコレットチャック式に、平行調節ネジの先端にボールを組み込み、往復運動をスムーズになるように変更、操作性向上のため、本体を一回り大きくしたそうです。
結果、研磨面は若干スジが残りますが、まずまずの鏡面が出せました。
しかし、ネジ溝部、外周部のダレが若干残っているので、研磨圧力や研磨剤の種類等、もう少し検討の余地があり、コレットは痛みが早く、軟鉄製がよいかもしれないとのこと。
ネジ先端のボールの回転が滑らかでないので、今後改良してゆきたいそうです。


研磨条件
荒研磨:鋳鉄研磨盤+WA砥石粒#8000+マシン油
中研磨:亜鉛研磨盤+WA砥石粒#8000+マシン油
仕上研磨:アクリル研磨盤+WA砥石#8000+マシン油
※今回全て同じ砥粒にて研磨。研磨盤の材質により研磨力が変わり、興味深かったそうです。



山口 詠一さんより 西式健康法用タイマー


骨董市で見つけたタイマーでしたが、いったい何に使用するものかわからなかったそうです。
ネットで検索したところ、“一定時間ごとに外気中で裸になった後、素早く服を着ることにより、皮膚呼吸の促進をはかる”という健康法で、その際に時間を計測するタイマーのようです。
表記が右からなので、戦前の品でしょうか。








小頭さん(ゲスト)より ビーナスエボーシュ






教材として、ビーナス社から時計学校に供給されたものです。
アメリカのネットオークション(e−bay)で購入。日本円で6万円ほどだったそうです。
同種のものは、たまに出品されるそうですが、パーツが全部揃っているのは大変珍しく、その意味では貴重なものです。



鶴田議長/事務局大友より 文字盤足付け器


鶴田議長が出品したものを、事務局大友がその場で購入したものです。
落下させた際の衝撃で、文字盤の足が取れてしまう事がありますが、そういった場合に、銅線で新たに足を半田付けする機器です。
右下写真のように文字盤と銅線を固定し、接触部に半田を少量置いてセットします。
電流を通した炭素棒を銅線に当てる事により、抵抗熱で半田が溶け、半田付けが完了します。

作業の前に文字盤側をドリルでさらっておくと、銅線をセットしやすくするとともに、酸化皮膜を取り去り、半田との密着度合いを高める効果があります。
薄い(0.6mm以下)文字盤に使用すると、文字盤の変色をまねいたり、果ては文字盤自体が溶融してしまうこともあるので注意が必要です。

















鹿島 眞人さんより シチズン エリトロンから見るME機構の考察

NAWCC BULLETIN vol.49/3  No.368:2007をご覧になってME機構に興味を持たれ、シチズンのエリトロンに至るまでの歴史的背景について調べられたことをお話いただきました。
下図はエリトロンの内部の写真と、脱進車が作動している様子です。



ME(magnetic escapement)機構はゼンマイ式時計全盛の1950年代ごろ、磁石を使用することで振り子式やテンプ式よりも精度の高い調速機構をめざしたもので、主には磁気作用を音叉振動で介して脱進車(ガンギ車)に伝え駆動します。
音叉と脱進車が接触していないため、部品の磨耗度合いが少なく、振動数も高いため動きが滑らかなどの特徴があります。後にシチズンが特許購入して開発を続けましたが、その特性から持ち運びには向かず、その後に出現したクォーツ式に押されてしまった経緯などが話され、とても興味深いお話でした。